箱根ラリック美術館
去る1月22日、箱根仙石原にある「箱根ラリック博物館」に行ってきた。
ルネ・ラリック(1860-1945)はフランスで生まれ、16歳で宝飾細工師に弟子入りし、弱冠20歳で一流宝飾店から仕事の依頼を受けるようになった。その後、当時の大女優の舞台アクセサリーなどを製作するかたわら、香水商コティとの出会いによってガラス工芸へと転身。アール・ヌーヴォーからアール・デコへと流行が変わる中で、ラリックは両時代を代表する存在として活躍する。(同美術館コンテンツから抜粋)
僕は以前、諏訪湖畔にある北沢美術館で、アール・ヌーヴォーの頂点を極めた一人と言われるエミール・ガレのガレランプやガラス工芸品を見て、その場から動けなくなった記憶がある。
アールヌーヴォーは曲線を描いて艶めかしく且つ幻想的な、植物や蝶や蜻蛉などの昆虫がモチーフとして使われることが多い。フランスでガレ、スペインにはガウディ、アメリカではティファニーがその時代の代表的な作家である。
それらはほとんどが一品一品を手作りする手工芸だったが、それを工業生産的に作り出すことを実践し、なおかつアールヌーヴォーの高い技術性を継承しながら合理的な機能美を追求するアール・デコという芸術様式が生まれた。
ルネ・ラリックはそのアール・デコの象徴的なガラス工芸作家で、前期はアール・ヌーヴォーの装飾品、後期はアール・デコのガラス工芸で多くの優れた作品を残している。
左の写真はいずれも「箱根ラリック博物館」所蔵の作品である。
ラリックはまた、1925年のパリ現代装飾美術産業美術国際博覧会で高さ15mのガラスの噴水「フランスの水源」を制作したり、豪華客船「ノルマンディー号」や教会の礼拝堂、一流百貨店のエントランスを手掛けるなど、ガラスによる大規模な空間演出に活躍の場を広げていった。
館内には、壁面にいくつものガラスの雀を散りばめたオリジナルインテリア「雀の間」や、オリエント急行のサロンカーが展示され、ガラスが織りなすラリックの空間芸術を体験することができる。
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